コロナウイルスに対する正しい知識

「みんなのヘアサロン」オーナースタイリストの布施 博之です。

ちょっと長いですが重要なので読んで下されば🙇

一般市民向け 新型コロナウイルス感染症に対する注意事項 (2020年2月3日現在)
昨年の 12 月から中国武漢市を中心に広がっている新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症の 流行を受けて医療機関、学会、行政が連携して対策を講じている状況です。指定感染症としての 認定、武漢市からの邦人の移送、施設における経過観察のための滞在など、水際対策により日本 国内における感染者数は依然として少数であり、幸いなことに重症例の発生はこれまでのところみ られておりません。しかし、無症状者からのウイルスの分離などの事実が明らかとなり、本邦にウイ ルスが入り込みすでに市中において散発的な流行が起きていてもおかしくない状況です。さらに、 心配されていたウイルスの変異も現在のところ生じていないことが明らかになりました。このような状 況の中で、新型コロナウイルス感染症に対する私たちの考え方を変えていく必要があります。

1. 肺炎の合併に注意、感染対策の基本はインフルエンザに準じて
コロナウイルスはもともと風邪の病原体として見つかってきたウイルスです。その中から SARS や MERS などの病原性の高いウイルスが出現し大きな話題となりました。今回の新型コロナウイル スがどの程度の病原性を示すのかを慎重に検討している段階です。中国では多数の感染者と死 亡者がでていることが報道されていますが、本邦では現在のところ感染者数は 2 月 3 日時点で 20 例が報告されています。幸いなことに、これら感染患者の肺炎は軽く状態は落ち着いており、重症 例はみられておりません。しかし、今後の症例数の増加にともない重症例が報告されてくることも考 えておかなければなりません。また、日本の患者の家族や医療にあたった看護師・医師においても 感染の伝播は認められていません。このような特徴から、現時点において新型コロナウイルスの病 原性は季節性インフルエンザ相当、あるいはやや強いが妥当ではないかと考えられます。ただし、 経過中の肺炎の合併には十分注意する必要があります。熱・呼吸器症状が持続する場合には受 け入れ施設に連絡して受診してください。

2.新型コロナウイルスの遺伝子変異は起きていませんでした。
中国で流行してから日本に持ち込まれる過程でウイルスの遺伝子が変異し病原性が高まるこ とが危惧されておりました。しかし、国立感染症研究所が分離した本邦のウイルスの遺伝子解析に より、遺伝子変異は起きていないことが確認されました。

3. 中国における死亡数の増加に関しては引き続き検討が行われています。
武漢市を中心に中国のほとんどの地域から 17,000 人を超える感染例が報告されており、中国 における死亡者数は 360 人を超えたと報告されています。なぜ中国でこれだけ多い感染者数・死 亡例がみられているのかはわかっておりませんが、医療機関への受診の遅れ、高齢者や免疫不全 患者における感染例の増加、ウイルス感染に続いて生じる細菌性肺炎の合併などの可能性が考
えられます。現時点における中国での死亡率は約 2%とされていますが、検査をされていない軽症 の患者が多数存在することを考えると、その数字は今後さらに低下する可能性があります。

4. 免疫不全患者、高齢者を守る対策が必要になります。
新型コロナウイルス感染症の特徴の1つとして、高齢者における感染例の集積がある こと、小児における重症例が少ないことがあります。日本においても、長期療養型施設にお ける高齢者は、さまざまな基礎疾患を有しており、インフルエンザやノロウイルスにかかり やすく重症となることが知られています。新型コロナウイルス感染症がこのような高齢者 施設で流行しないように、細心の注意を払って対応する必要があります。高齢者や免疫不全 患者は本感染症にかかった場合に重症化しやすいことから、濃厚接触が起こりやすい人込 みの環境や閉鎖空間を避け、以下に示す感染対策を徹底することが重要となります。今問題 となっているクルーズ船内や院内環境はまさに注意しなければいけない環境ということに なります。

5. 感染対策の基本は咳エチケットと手の清潔です。
コロナウイルスの感染は飛沫感染が主で、咳やくしゃみによりウイルスが伝播されることにより生 じます。したがって、インフルエンザに対する予防と同様に、咳エチケット、手洗いなどの感染対策 が有効です。感染対策としてもっとも重要なことは手の清潔です。マスクを着用していてもウイルス で汚染した手指で目、鼻、口などに触るとこれらの粘膜から感染する可能性があります。不用意に 口や鼻、目を触らないように注意しましょう。咳やくしゃみなどの呼吸器症状がある人は、他の人に 感染を広げないためにもマスクの使用が有効かと思われます。現在、マスクが不足している状況で すが、内側のガーゼを交換する、あるいはガーゼを水洗いしてから乾燥させて再利用するなどの 工夫を行うこともできます。ウイルスで汚染した手指を介して目・口の粘膜から感染が伝播される可 能性にも注意しなければなりません。手洗いや手の消毒の徹底は感染対策の基本です。
2020年2月3日

一般社団法人日本感染症学会 舘田 一博 一般社団法人日本環境感染学会 吉田 正樹